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金子みすゞと陰陽論 その2
JUGEMテーマ:最近読んだ本

  先日のブログで金子みすゞの紹介をしたが、今回ももう一度、同女史の「大漁」という詩を紹介する。

大漁

朝やけ小やけだ
大漁だ
大ばいわしの
大漁だ。

はまは祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
いわしのとむらい
するだろう

「金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと」より JULA出版局刊

  これは確か、小学校の教科書にも載ったことがある有名な詩でもある。何ともいえない切なさを感じるが、これもやはり前回述べた陰陽論そのものなのである。「祭り」という喜びと「とむらい」という悲しさ。正反対ともいえる感情が同じ時間に存在するのだ。

  鍼灸専門学校における東洋医学概論という科目では、まず最初に陰陽論を学ぶ。それは陰陽可分(かぶん)という単なる対立だけではなく、相互に依存する陰陽互根(ごこん)、陰陽は常に不断の運動変化のなかで行われているという意味の陰陽の消長平衡(しょうちょうへいこう)、さらに陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となるという陰陽の相互転化など、色々な意味を持つ。(漢字が並び難しいので、深く考えず流して下さい)

  この陰陽のバランスをいかにとるかが、鍼灸医学の基本になる。
  上記の詩のように、悲しみと喜びといった感情面でのバランスを保つことは、誰であっても難しい。悲しみが深く続けば、心だけでなく身体にも支障をきたすし、喜びがずっと永遠に続くことなどもありえない。

  しかし、どちらかに偏るのではなく、この世の中は、陰陽の両方が存在する世界なのだ、と冷静客観的に眺めることができれば、それで済むのではないだろうか。
  常に中庸。日々平常心。といったあたりなのだろうけど、私のような凡人は、いつもちょっとした感情に振り回されてしまう毎日である。半分あきらめの、このどうしようもない感情の揺らぎ。これも陰陽なのだ。

紅葉も陰陽(於:湘南平)


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