神奈川県の大磯町にある治療院のブログです
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食べること(咀嚼編)
  人間の体をよく観察してみると、普段何気なく過ごしていたことなのに、あらためて凄い!と気づくことがある。その一つが、食べものの消化である。

  よく意識とか、無意識とかいう言葉を使うが、この消化活動においては全て完璧なまでに無意識下のこと。自律神経やホルモンなどにより、意識することなく、自動的に行われる。意識下にあるのは、食べ物を見つけ出し、口に運び、咀嚼(そしゃく)するところまで。その後の嚥下(えんげ・飲み込むこと)から先の消化活動は、全て無意識下での体内のできごととなる。だからこそ、私たちが意識下の世界でやるべきことは、しっかりと食べものを摂り、咀嚼することなのである。

  今回の話題は、その咀嚼についてである。
  咀嚼、つまり噛む事は、美味しく食べる上でも、また健康状態を保つ上でも大事なことである。よく噛む事により、食べ物が口の中で分解され、さらに唾液に含まれるアミラーゼはデンプンを麦芽糖にするし、ムチンは食塊をなめらかにする。こうして口の中で十分に粥状となった食べものが、食道を通り、胃、小腸へと進むのである。胃や腸における活動を円滑にするためにも、咀嚼はとても大事なのである。

  うちに来る患者さんには、30〜50回は噛みなさいとアドバイスしている。それだけ噛むと食べものはほとんど固形状態から液体状態になる。液体状態になって飲み込むことができれば、無意識下の体内消化活動はとても働きやすくなる。これが自分の体に対してのやさしさなのかもしれない。

   さらにこれだけたくさん噛むと、咬筋の運動にもなり、筋力もアップするが、疲労も出る。その疲労があるから、逆にあまり過剰な量を食べることはなくなり、肥満に対しての予防にもなる。また、アドバイスついでに、咀嚼するときは、左右両方で偏ることなく噛むことも指導している。片方だけで噛む癖のある人は、首や肩こりの原因になることもあるからだ。

  しかし、この忙しい現代社会、多くの人が実際はほとんど噛まずに一気に飲み込んでしまっているのが現実である。そうすると胃や腸の負担が増し、消化器系の疾患につながってしまうことにもなりかねない。また現在は、食べるものも、噛む必要のほとんどない柔らかいものが多いのも事実。例えば鶏肉も、工場生産のようなブロイラーだと、噛まなくてもいいくらいやわらかい。(というよりブヨブヨ)

  現代の流行が、肉は柔らかいのが美味しいということになっているようなので、それはそれでいいかもしれないが、庭で放し飼いしているような本物の地鶏の肉は、しっかり噛まなければならないほどかたい。このしっかり噛まなければ飲み込めないほどのかたい肉ほど、噛めば噛むほど味が出る。噛んで噛んで、味が出て、そして唾液とからみあって口の中で絶妙なうまさになる。そしてぎりぎりのところまで、うまみを楽しんだ後に、飲み込む。 これが、美味しく食べるということなのである。

  噛む喜びは、食べものによっても異なる。これが食感という楽しさなのであるが、もうひとつ言うと、ゆっくりと時間をかけて噛むことも大事である。できれば、食べ物を口に入れたら、一旦箸を置き、ゆっくり噛みしめて、ごくんと飲み込んだ後また次の一口、というくらいのペースが内臓にもやさしく、体全体にとっても良いのだ。

  朝食、昼食と慌ただしい毎日でも、せめて夕食は、ゆっくりと噛みしめて、ゆっくり味わう時間にしたいものである。

やわらか〜いお肉も美味しい。でもしっかり噛みましょう!


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